2026新作 プレッシャーの中で生まれた時計。「ビバー AB」

 2026年の新作としてビバーが、、初のスチールモデルにして初の手巻きモデル「ビバー AB」を発表しました。この時計は、ビバーのアイデアから生まれたものではありません。生みの親はコレクターの皆さんです。創業当初からビバーを支え、ジヴランにある家族経営のアトリエを訪れ、ピエールやジャン・クロードとムーブメントについて語り合い、夜遅くまでチームとバーベキューを囲んでくださる方々から生まれた時計なのです。

 始まりは「ビバーの時計をスチールで」というひとつの挑戦でした。それはやがて、時計師としての技術と、時計づくりへの(そして互いへの)愛情を試す長い旅路となりました。新しい素材、新しいムーブメント、予備のダイヤル、そして幾度もの眠れない夜(とりわけピエールは、この旅の最中に第二子を迎えました)。そのすべてを乗り越えた今、かつて恐れていたこの時計は、ビバーの最も大きな誇りのひとつとなっています。

 ビバー ABはスチール製で、ケース径38mm、厚さ9.8mm。まったく新しいダイヤル技法を採用し、内部には新開発の手巻きキャリバーJCB-004を搭載しています。このムーブメントはテストで120時間を超えるパワーリザーブを記録し続けており、すべてのビバーの時計と同じ水準の手仕上げが施されています。ビバー初のスチールウォッチであり、初の手巻きウォッチです。価格はCHF65,000(税・関税別)です。

「ビバーをご存じの方なら、ここ数年、私たちがスチールに取り組んでこなかったことをご存じでしょう」と、共同創業者兼CEOのピエール・ビバーは語ります。「しかし、ビバーを本当によくご存じの方なら、私たちが挑戦から決して逃げないこともご存じのはずです。オートマティックをそのままスチールで作るのが簡単な道だったでしょう。しかし父は常々、どの時計にもそれぞれの魂が必要だと言ってきましたし、私自身、すべての時計が自らの存在価値を勝ち取るべきだと考えています。だからこそ私たちは白紙に戻し、新しいムーブメント、新しいケース、新しいダイヤル技法でゼロから作り上げました。シンプルな要望に応えるには、最も時間のかかる困難な方法です。しかし、それが私たちの知る唯一のやり方なのです」。

ABの内側

 ABは「初」づくしの時計です。ビバー初のスチールモデルにして初の手巻きモデル。38mmというサイズも、これまでで最も小さなものです。さらに、美しいシャンパンカラーを持つ2Nイエローゴールドを初めて採用しています。本来なら、ビバーの最もシンプルな時計になるはずでした。時・分・秒、そして12時位置の円弧上でゴールドのピンが残りのパワーリザーブを示すだけ。しかし、実際に作り上げるのはまったく別の話でした。

 ムーブメントはゼロから開発され、2つの香箱により一度の巻き上げで120時間以上駆動します。ダイヤルは2Nイエローゴールドとオニキスで構成され、2Nゴールドのトラックを石の上に直接施しています。すべてにカリヨン トゥールビヨンやオートマティックと同じ高い水準の手仕上げが施され、その一つひとつが悩み抜いて選ばれました。そしてそのすべてが、タフな使用に耐えるよう設計されたスチールケースに収められます。多くの人が金庫にしまっておきたくなるような仕上げを、どこへでも着けていってほしい時計に施す――ちょっとしたパラドックスです。

ごまかしの効かない世界

 このような時計では、ディテールがすべてです。6時位置のスモールセコンドには、オートマティックで初めて導入したビバーのシグネチャーであるゼロリセット機構を搭載。リューズを引くだけで針がゼロに戻り、極めて正確な時刻合わせが可能です。

 地板と受けには、パラジウムを豊富に含む特殊なホワイトゴールド合金PD210を使用しています。決して変色せず、メッキ処理も必要ありません。「PD210には、ごまかしが一切効きません」と、ビバーのテクニカル・ディレクターであるフランソワ・ペレスは語ります。「手が施したことが、そのままケースバック越しに見えるのです」。各部品は、求める仕上がりを得るために決められた順序で行わなければならない固有の仕上げ工程を経ます。地板だけでも、複数サイズのペルラージュと、丸2日間の仕上げ作業を要します。

 ABでは、ムーブメントの受けの仕上げとして新たにサンドブラストが採用されていますが、これには独自の難しさが伴いました。仕上がった表面は非常に繊細なため、それ以降はすべての部品の扱い方を変えなければなりません。最適な粒子とそれを実現する技術を見つけ出すまで、ヘッド・デコレーターのハレドは何か月にもわたる試行錯誤を重ねました。


ABを支える人々

 すべてのABは、ひとりの時計師が最初から最後まで組み上げます。途中での引き継ぎも、組立ラインもありません。しかし一人ひとりの時計師の背後には、一本一本の時計を可能にする大きなチームがいます。技術部門(Bureau Technique)のエンジニア、デコレーター、品質管理担当者、そして物流の専門家。全員がABの誕生に関わりました。議論し、失敗を重ね、それでも納得できるまで歩みを止めませんでした。

Biver AB
ビバー AB

ケース径:38.0mm
ケース厚:9.8mm
ケース素材:ステンレススチール
防水性:80m(8気圧)
ストラップ:スチール製ビバー ブレスレット、カーフレザーストラップとスチール製バックルが付属
ムーブメント:手巻き、Cal.JCB-004、約120時間パワーリザーブ、毎時21,600振動(3Hz)、32石
仕様:時・分・秒表示、ゼロリセット機構、文字盤上のゴールドピンによるパワーリザーブ表示、ブラックDLC加工2Nイエローゴールド文字盤、オニキス製アウターリング、サファイアクリスタルシースルーケースバック
価格:CHF68,000(税別)

※2026年10月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。

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