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2020新作 海洋から発想したデザイン。ブレゲ「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」

 ブレゲより2020年の新作「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」が登場します。新作「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」は「マリーン」のコレクションを常に特徴づけてきた大胆でスポーティなデザインを高度な複雑ムーブメントや繊細を極める手彫りの装飾に結びつけた時計です。今回ブレゲが発表するのは、スレートグレーダイヤルを配したローズゴールド・モデルです。

 ブレゲは「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」の発表に際して、その歴史に由来する3本の糸を撚り合わせました。まずはじめは、創業者アブラアン-ルイ・ブレゲが発明し、1801年に特許登録したトゥールビヨンという遺産です。複雑時計の分野における比類ない遺産という点で重要なトゥールビヨンですが、この「マリーン 5887」はまた、新世代のトゥールビヨンに加え、パーペチュアルカレンダーとイクエーション・オブ・タイム(均時差)の表示も併せ持っています。そして最後に、ブレゲはこれらの歴史的な複雑機構を「マリーン 5887」の2本柱に据えながら、創業者アブラアン-ルイ・ブレゲが1815年にフランス国王ルイ18世から王国海軍時計師、すなわちフランス海軍御用達時計師に任命されたことをも想起させる時計へと作り上げました。


海洋から発想したデザイン

「マリーン」コレクションと海洋との関連はダイヤルの中央にギヨシェ彫りで施された波頭モチーフのウェーブ模様によって強調され、アプライドのローマ数字や先端に月のモチーフをあしらったブレゲ針はローズゴールドで作られています。 ケースバック側は、かつてのフランス海軍の旗艦「ロワイヤル・ルイ」の姿がムーブメントのブリッジを横断して彫られています。船の全貌は4本のブリッジにまたがり、繊細なティテールがブリッジからブリッジへと次々に展開します。ムーブメントが組み上がったときに絵の各エレメントが完璧に整列するように配置するには、極めて正確な作業が求められます。香箱蓋にはコンパスローズ(羅針図)のモチーフがやはり手彫りで刻まれています。プラチナ製のペリフェラル・ローターにもブレゲ伝来のギヨシェ彫りと彫金が施され、その形状のおかげで、ムーブメントのアートワークが隅々まで遮られることなく鑑賞できます。


ランニング・イクエーション・オブ・タイム

「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」には2本の分針、すなわち伝統的に一般市民が使う平均太陽時の分針と、真太陽時での分を直接示す第2分針です。

 ムーブメントの中心にはサファイアクリスタルのディスクがあり、これがイクエーション・オブ・タイム(均時差)の周期を忠実に再現しながら1年で1周します。この透明ディスクは、周縁に12か月の目盛りが記され、ディスクの下に置かれたトゥールビヨン機構も透けて見えます。ランニング・イクエーション・オブ・タイムの仕組みは“ディファレンシャル”と呼ばれる歯車のセット(差動歯車)で行われます。

 この巧妙な差動歯車の仕組みは、2つの独立した入力を1つの出力へと統合できる点です。平均太陽時の分針の表示のほうは、時計のメインの輪列で行われます。一方でディスクのカムの形状をなぞるフィンガーが均時差の情報を読み取り、続いて差動歯車が真太陽時(平均太陽時+均時差)を算出するための計算式を実際に演じ、その結果が真太陽時の分針で表示されます。これら2本の分針によって、時計のオーナーは平均太陽時と真太陽時を一目で読み取ることができるのです。

パーペチュアルカレンダー

「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」のランニング・イクエーション・オブ・タイムの表示は、パーペチュアルカレンダーと連携しています。このムーブメントのパーペチュアルカレンダーは、30日の月と31日の月、2月28日と閏年の29日といった4年周期のカレンダーに含まれるあらゆる不規則を計算に入れて正しく表示します。またのこの表示スタイルもブレゲのコレクションの中では極めて独特なもので、新たに設計された機構が用いられています。曜日と月の名は、針ではなく、小さな窓を通して示され、日付は“レトログラード”の名で知られる方式の針で示されます。この針は1日から始まって月の終わりまで進み、最後の日の真夜中に瞬時に最初の“1”に戻り、翌月の日付がまたスタートします。

超薄型トゥールビヨン・ムーブメント

 このグランド・コンプリケーションに搭載されるムーブメントは、超薄型の自動巻トゥールビヨン・キャリバー581から派生したものです。トゥールビヨンの基本的な設計コンセプトは、アブラアン-ルイ・ブレゲが特許を得た方式に根差し、それは今も変わりありません。すなわち時計の歩度を制御するテンプ、ひげゼンマイ、脱進機一式をキャリッジに収納し、これを1分間で1回転させて、重力の影響で生じる誤差を解消する仕組みです。それと同時にトゥールビヨンの設計には、チタン製のキャリッジやテンプ、シリコン製脱進機といった、現代のテクノロジーも駆使されています。

 またトゥールビヨンの機構自体も新た設計し直され、キャリッジが外周の歯車で駆動するようになっています。こうしてトゥールビヨンとその構成部品全体が宙に浮いているように見えます。主ゼンマイにも目が向けられ、厚さを減じる探求が進められました。ブレゲの設計者は、香箱の周囲に新たに溝を設け、この溝を利用して香箱を外から3個のベアリング・アセンブリーで支持するように工夫して、その厚みを25%も削減することができました。また、パワーリザーブ表示については、ダイヤルの他の表示とのバランスを考え、8時位置にゲージ型の表示を配置しました。

 この壮観なモデルに凝らされた創意は、ブレゲの時計職人や工芸技術者たちによってなおいっそう強調されています。

MARINE TOURBILLON EQUATION MARCHANTE 5887
マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887

Ref.:5887BR/G2/9WV
ケース径:43.90mm
ケース厚:11.75mm
ケース素材:18Kローズゴールド
ストラップ:ブラウンアリゲーター、ローズゴールド製ゴールドフォールディングバックル
防水性:10気圧(100m)
ムーブメント:自動巻、80時間パワーリザーブ、Cal.581DPE、57石、毎時28,800振動(4Hz)、6姿勢で調整済
仕様:時・分・秒・日付・曜日表示、ケースバンドに繊細なフルート装飾、サファイア・ケースバック(透明裏蓋)、スレートグレー仕上げゴールド製ダイアル、手彫りギヨシェ模様、個別番号とBreguetのサイン、18Kローズゴールド製ローマ数字のチャプターリングと蓄光インデックス、ファセットを加えた18Kゴールド製の蓄光ブレゲ針、ゴールドの太陽モチーフが刻まれた真太陽時表示針、10時-11時位置に曜日表示、1時-2時位置に月と閏年表示、9時-3時位置に弧を描くレトログラードの日付表示、7時-9時位置にパワーリザーブ表示、イクエーション・オブ・タイム、パーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン

※2020年3月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。

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