
“神の目”で探求する、グランドセイコーのダイヤル美

“神の目”で探求する、グランドセイコーのダイヤル美
人生の節目に手に入れる時計は、いつまでも愛し続けることができるものを選びたい。
最高峰の時計技術から生まれる「グランドセイコー」がその筆頭であることは、誰もが認めるところだろう。
ではグランドセイコーは、なぜここまで愛されるのか?
実は多くの時計愛好家を魅了しているのは、日本の情景や季節、文化を表現する美しいダイヤルだ。
その繊細な表現は、もはや肉眼でとらえることは難しいレベルにある。
そこで今回は特殊カメラによる極限接写という“神の目線”で、グランドセイコーのダイヤル美の理由に迫りたい。
ふと時計を眺めると、そこには心に染み入る美しいダイヤルがある。その瞬間が特別な時間となるのだ。
2月1日(日)>> 3月31日(火)
限定モデルをはじめ、多彩なラインアップを取り揃え、グランドセイコーの新たな世界観をご体感いただける特別な空間となっております。各店のイベント詳細・特典については下記の開催店舗ページにてご確認ください。
なぜ“ネイチャーダイヤル”が生まれたのか?
権威ある“時計界のアカデミー賞”と称されるジュネーブウォッチグランプリにて、グランドセイコーの「エボリューション9 コレクション SLGH005」がメンズウォッチ賞を獲得したのが2021年のこと。グランドセイコーは2014年にも「Grand Seiko Hi-Beat 36000 GMT SBGJ005」が小さな針賞を受賞しているが、2021年はさらに驚くようなニュースが続いた。
まずは2021年度の日本のグッドデザイン賞に選ばれ、2022年度にはドイツの権威あるデザインアワードである「レッドドット・デザイン賞」では、プロダクトデザイン部門において最高賞「Best of the Best」を受賞。時計としてのクオリティの高さはすでに評価されていたグランドセイコーが、デザイン面でも高く評価されたのだ。
この躍進のきっかけとなったのが、美しいダイヤル表現だ。事実グッドデザイン賞でもレッドドット・デザイン賞でも、審査員は日本的なデザイン表現や日本の風土が持つ奥ゆかしい風景の豊かさを評価している。
日本の風土や情景を描き出したグランドセイコーのダイヤルたちは、ファンの間では“ネイチャーダイヤル”と呼ばれている。その始まりは、2004年に発売されたスプリングドライブムーブメント「キャリバー9R」の完成を記念した日本限定300本モデル「SBGA005」 で、諏訪地方の御柱祭に用いられる樅(もみ)の木をモチーフにした深みのあるグリーンダイヤルが特徴となる。
型打ちされたダイヤルに下地めっきを行い、その上からブルーの塗装を加える。最後にトップ塗装で仕上げて、美しい表現を引き出す。
この“ネイチャーダイヤル”だが、その製作過程はかなり独特だ。スイスの時計ブランドではギヨシェと呼ばれる金属彫り加工で幾何学的な模様を表現するが、グランドセイコーでは、職人が匠の技で模様をつけた金型を打ち付けてダイヤルの表面に凹凸の模様をつける「型打ち」という技法が用いられる。さらにそこにメッキや塗装で色を加え、秒針の色などをアクセントにしながら美しい情景を表現するのだ。
「エボリューション9 コレクション SLGW007」が、繊細な型打ち技法で表現したのは、「月夜に照らされる白樺」の姿である。ネイビーダイヤルの深い色合いと立体的な凹凸模様が、静かに時が流れる夜の森の情景を思い起こさせる。それは端正な手巻き式ドレスウォッチという時計の個性とも相まって、特別な世界を作り上げている。
さらにこういった時計で自然を表現するという試みは、ムーブメントにも波及している。手巻き式のキャリバー9SA4では、りゅうずの巻き上げ時に動力ぜんまいの逆回転を防ぐ部品「こはぜ」の形状を、機械式モデルを製造する「グランドセイコースタジオ 雫石」に飛来する愛らしい鳥「セキレイ」を模したデザインにしている。またプレートなどにはスタジオの近くを流れる雫石川の流れを表現した繊細なストライプ模様も施される。こういった小さなこだわりが、グランドセイコーの独自性をさらに深めるのだ。
キャリバー9SA4は、多くの手仕事から生まれる高性能手巻きムーブメント。ハイビートによる高い精度や最大80時間のロングパワーリザーブも魅力だ。
グランドセイコーでは2020年から「THE NATURE OF TIME」というブランドフィロソフィーを掲げている。NATUREには、自然と本質というふたつの意味がある。移ろいゆく自然の美しさと時間の本質を描き出すこと、それこそがグランドセイコーが探求する道。美しいネイチャーダイヤルは、グランドセイコーの世界を表現する欠くことのできない部分なのだ。
エボリューション9 コレクション SLGW007
メカニカル 手巻、ステンレススチールケース、ケース径:38.6mm。価格:1,342,000円(税込)
日本の情景をダイヤルに描く日本ブランドの矜持
ダイヤルデザインモチーフの多くは、グランドセイコーの製造地と結びついている。機械式モデルが製造されるのは、岩手県雫石町にある「グランドセイコースタジオ 雫石」。隈研吾氏が設計した建物からは雄大な岩手山がよく見え、そのダイナミックな山肌をイメージしたダイヤルなどを製作している。またグランドセイコーのスプリングドライブモデルやクオーツモデルは、長野県塩尻市にある「信州 時の匠工房」で製造されるが、社屋からは雄大な山々が見え、また諏訪湖など壮大な自然が広がっている。

諏訪湖の穏やかな水面は、人の心を癒す風景でもある。
エボリューション9 コレクション SLGA021
スプリングドライブ 自動巻(手巻つき)、ステンレススチールケース、ケース径:40mm。価格:1,276,000円(税込)
グランドセイコーは製造地がふたつあることも他にはない個性だが、そこに結びつけてストーリー性を持たせることも独自性に繋がっているのだ。
デザイナーは頻繁にふたつの製造地に足を運ぶが、その移動中に窓からふと目にした景色がデザインのヒントになることもあるそうだ。その一例が、そよ風に揺らぐ諏訪湖の湖面をダイヤルで表現した「エボリューション9 コレクション SLGA021」だ。深いネイビーブルーの色で表現された穏やかな水面は、パワースポットの諏訪大社や自然現象の御神渡りで知られる諏訪湖の神秘性とも結びつき、時計に更なる魅力を加えてくれる。

山の厳しくも美しい自然現象が、デザインモチーフとなる。
ヘリテージコレクション SBGA211
スプリングドライブ 自動巻(手巻つき)、ブライトチタンケース、ケース径:41mm。価格:902,000円(税込)
穂高連峰の風に吹かれた雪面に現れる繊細な風紋を表現した「雪白」ダイヤルも人気が高い。このデザインは2005年発売の「SBGA011」にて初採用され、その後2017年発売の「ヘリテージコレクション SBGA211」によって、海外でも「スノーフレーク」の愛称で知られるように。グランドセイコーが世界的ブランドへと躍進するきっかけの一つとなった定番モデルだ。
こういった風景や情景をダイヤルへと抽象化していくために、デザイナーと企画担当者、そして製造の匠がイメージを共有し、その共有したイメージをもとに、どのような手法を施せば目標とするパターン、色味、輝きを生み出せるかを検討し、試作を繰り返しながら、理想のダイヤルへと仕上げていく。
ネイチャーダイヤルの要となるのは、0.5㎜の真鍮の板に凹凸模様をつけるための金型だ。その製造には時間を要するが、これまでに積み上げてきた実績の蓄積とデジタルシミュレーションの向上によって、理想に近づけるようになったという。もちろんこういった技術は、ノウハウの蓄積も重要であり、次世代へ継承していくための取り組みも進んでいるそうだ。
ヘリテージコレクション SBGX357
雪面にブルーが映えるクオーツモデルで、スカイフレークという愛称を持つ。
クオーツ、ブライトチタンケース、ケース径:37mm。価格:572,000円(税込)
AJHH創立20周年記念限定モデル
スポーツコレクション SBGE311
2025年に誕生した限定モデルで、生産数は500本。雪白ダイヤルにブラックセラミックのベゼルやGMT機能を組み合わせ、機能面でも進化を遂げた。
スプリングドライブ 自動巻(手巻つき)、ステンレススチールケース、ケース径:40.5mm。限定500本。価格:990,000円(税込)
美しい独自性を追求しつづける
日本の自然や風土を美しく表現する“ネイチャーダイヤル”だが、その盤面だけでは時計にならない。型打ちしたダイヤルにインデックスやカレンダー、そして針が加わることで、グランドセイコーとなる。
そのためデザイナーは、一目見て時刻を正確に判断できるか、そしてブランドロゴがしっかり視認できるかといった視認性についても強く意識している。
グランドセイコーでは、一部の例外を除き、視認性を高めつつ美しい表現を作り出すために、インデックスには多面カットを施し、美しくきらめくとともに正確な時を知らせる。また12時インデックスは他のインデックスの2倍の幅をもたせることで強調させ、視認性を高める。また時分針にも多面カットを施すことで、針が美しくきらめかせる。
こういったデザインコードを踏襲することで「グランドセイコーらしい顔」をつくった上で、ダイヤル表現で更なるオリジナリティを表現するのだ。 しかもその探求心は、かなりディープだ。例えばネイチャーダイヤルの定番として知られる“白樺ダイヤル”の場合、機械式の「エボリューション9 コレクション SLGH005」とスプリングドライブの「エボリューション9 コレクション SLGA009」とでは、微妙に白樺の表現が異なっている。

ダイヤルは型打ちのデザインや深さだけでなく、型打ち後に縦筋目を入れることで、シルバー色が強くみえる。
エボリューション9 コレクション SLGH005
メカニカル 自動巻(手巻つき)、ステンレススチールケース、ケース径:40mm。価格:1,276,000円(税込)
これは機械式モデルのSLGH005が岩手県の平庭高原の白樺林をイメージした一方で、スプリングドライブモデルのSLGA009は長野県の八千穂高原の白樺林をイメージしているから。そしてその表現方法が異なるからだ。
機械式モデルのSLGH005はハイビートムーブメントによる力強い秒針の動きに合わせるように、型押しを7度重ねることで白樺の模様を立体的に仕上げた。スプリングドライブモデルのSLGA009は、スーッと音もなく流れるスイープ運針の秒針に合わせて白樺の模様もより繊細に表現している。同じ白樺のモチーフであっても、時計の製造地やムーブメントの特性に応じて表現を変える。その探求心によって、グランドセイコーはさらに魅力を深めていくのだ。
彫金技術を応用して製作した金型を使用し、型打ちは1度のみ。そのため白樺の表情は繊細だ。さらにホーニングという加工を施すことで、やや白味が強まってくる。
エボリューション9 コレクション SLGA009
スプリングドライブ 自動巻(手巻つき)、ステンレススチールケース、ケース径:40mm。価格:1,276,000円(税込)
グランドセイコーのネイチャーダイヤルは、実用性・審美性・個性といった部分で世界的に評価されている。それは日本ブランドならではの美しい独自性だけでなく、この表現力豊かなダイヤルが、熟練職人の匠の技術から生み出され、その技術がリレーのように受け継がれているからでもある。
そういった幾重にも重なる美しい物語を持つ時計は、まさに人生の節目に手に入れるのにふさわしい価値があるのだ。
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写真 / Photo:星 武志 / Takeshi Hoshi
※2026年1月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。









