
2026新作 受け継がれる伝統、現代的なエレガンスを表現。パルミジャーニ・フルリエ「トリック プティ・セコンド プラチナ モーニングブルー」

パルミジャーニ・フルリエが2026年の新作として、「トリック プティ・セコンド プラチナ モーニングブルー」を発表しました。
パルミジャーニ・フルリエにおいて、伝統とは再現されるべきものではありません。伝統とは、理解されるべき文化であり、保護されるべき知識の体系であり、未来への創造の源泉なのです。
この信念こそが、メゾンの礎にあります。それは、ミシェル・パルミジャーニの修復師としての経験、過去の名作たちとの親密な対話、そしてそれらを生み出した職人の手技、機械的原理、文化を守り抜くという彼の強い決意から生まれました。
1996年に「トリック」が登場したとき、このビジョンは時計製造における最初の完全な表現として結実しました。パルミジャーニ・フルリエ創業のコレクションとして、伝統への深い敬意は創造と対立するものではなく、むしろ創造を可能にするものであると証明したのです。
約30年の時を経て、「トリック プティ・セコンド プラチナ モーニングブルー」は、この哲学を極めて現代的な形で未来へと継承します。
プラチナ製ケース、手作業によるグレイン仕上げが施されたホワイトゴールド製のダイヤル、そしてローズゴールド製の手巻きムーブメント「PF780」が、建築的美学、希少な伝統工芸、そして機械文化を一つのタイムピースの中に融合させています。時、分、そしてスモールセコンド(秒針)があれば十分なのです。この時計の豊かさは、多機能さを誇ることではなく、その造り込みの深さにこそ宿っています。
現代の「トリック」は、決して過去を再現するものではありません。それは、「現代における真のドレスウォッチとはどうあるべきか」という新たな問いに答えるために、先人の知恵を再び呼び覚ますものです。
パルミジャーニ・フルリエが出した答えは、かつての厳格なドレスコードから解き放たれたタイムピースです。プロポーション、素材、手触り、そして控えめさによってエレガンスが表現された時計です。過度な主張をすることなくプレシャスであり、個人としての洗練された装いや生き方に寄り添います。
それはまさに、エレガンスの真髄を体現しています。スタイルとは、派手な誇示や一時的な流行から生まれるものではなく、ひとつひとつの選択の正確さ、細部への精通、そして全体の調和から生まれるというビジョンです。
「モーニングブルー」というカラーも、この哲学に基づいています。色は時計の価値を決定づけるものではなく、その真価を解き明かすためのものです。ここでの色彩は、流行を狙った効果でも出発点でもありません。より深い普遍性を示す、現代的なシグネチャーなのです。
パルミジャーニ・フルリエにおいて、未来とは過去との断絶として捉えるものではありません。それは、創造的に表現された連続性なのです。
再構築された、創業の理念
「トリック」は、1996年にミシェル・パルミジャーニがメゾンに対する自身のビジョンを初めて表現した創業時のコレクションでした。
クォーツショックによって機械式時計の文化が衰退していた時代に誕生したこの時計は、高級機械式時計製造の知識、プロポーション、そして伝統工芸を保存しつつ、未来へと継承していくという意志表明として生み出されたのです。
古典建築のモールディング装飾のリズムに着想を得た、特徴的なローレット加工のベゼルは、装飾に構造的な役割を与えました。そのプロポーションには、自然界の幾何学、数学的な調和、そして造形の視覚的なバランスに対するミシェル・パルミジャーニの強い情熱が反映されています。
オリジナルのコレクションが「伝統的な機械式時計のあるべき姿」を示したのだとすれば、現代の「トリック」は「現代におけるドレスウォッチが何を意味すべきか」を問いかけています。
パルミジャーニ・フルリエ CEO グイド・テレーニは次のように語ります。「トリックにおいて、私たちは過去を復刻させようとしたのではなく、再構築しようとしたのです。ドレスウォッチには、よりパーソナルで、触覚的で、自信に満ちた、より自由な表現がふさわしいのです」。

修復が、新たな創造へと昇華する
文字盤の表面には、パルミジャーニ・フルリエの原点と現代の「トリック」を繋ぐ、最も重要な絆のひとつが表れています。
「グレイン仕上げ」は、ミシェル・パルミジャーニが修復師としての仕事を通じて出会い、守り続けてきた伝統的なダイヤルの仕上げ技法です。17世紀にまで遡るその調合技法は、酒石酸、ガラスの乳棒ですり潰した海塩、銀粉、そして脱塩水を組み合わせて作られます。現代の「トリック」の開発にあたり、メゾンは一見するとスムーズでなめらかに見えながらも、近くで観察すると複雑な質感が浮かび上がるような表面を追求しました。ミシェル・パルミジャーニは、この忘れ去られていた伝統技法をダイヤル職人たちへと直接継承しました。こうして修復を通じて蘇った知識は、現代に息づく技となったのです。
この工程はすべて手作業で行われます。混和物をゴールドの表面全体に伸ばし、専用のブラシを用いて円を描くように、あらゆる方向へとなじませていきます。銀は感光性を持っているため、職人は薄暗い部屋で作業を進めます。
まず固めのブラシで下地を形成します。その後、より細く柔らかいブラシを用いることで、密度の高い緻密で繊細な粒状感を創り出していきます。手にかける圧力と動きを通じて、職人はやがて抵抗の変化を感じ取ります。それは、微細な銀の粒子がダイヤルに定着し始める瞬間なのです。
その仕上がりは、機械作業のようにまったく同一にすることはできません。すべての表面には、粒状感や光の反射に微細な違いが宿ります。それらは正すべき不具合ではなく、制作の過程で注ぎ込まれた職人の感性と判断力を物語る証なのです。
「モーニングブルー」において、この先代から受け継がれた手技は新たな目的を得ます。その粒状感は単に文字盤を装飾するだけでなく、色彩に深み、情緒、そして躍動感を与えているのです。
シンプルさという、究極のコンプリケーション
「トリック プティ・セコンド」の純粋さは、綿密に計算された建築的精巧さの賜物です。
ダイヤルはドーム状に湾曲した形状に仕上げられています。完全にフラットさを保つのではなく、外縁に向かってわずかにさせることで、中央の表面、分目盛、そしてケースとの間に絶妙なつながりを生み出しています。20世紀半ばの立体的なダイヤルに着想を得たこの構造は、ノスタルジックすぎたり過度にビンテージ風に見えたりするのを避けるため、くっきりとした段差をつけて現代的に再解釈されました。
細身のアルファ型針、アプライドインデックス、そしてスモールセコンド表示は、余白と視覚的な静寂を保つようにレイアウトされています。12時位置のPFエンブレムは、メゾンのアイデンティティを表現しています。
ポリッシュ仕上げが施されたプラチナ950製ケースは、ケース径40.6mm、厚さ8.8mm。そのプロポーションは端正な存在感を与えています。精密なローレット加工を施したベゼルが手作業によるグレイン仕上げのダイヤルを囲み、計算された建築的なリズムをもたらしています。
プラチナという素材は、見た目の美しさだけでなく、肌で感じ取る感触もその魅力を発揮します。そのやわらかなホワイトのトーンは自らの価値をひけらかさない一方で、手に取った瞬間や手首に載せたときに、その確かな密度が伝わってきます。
内に宿る豊かさ
ダイヤルの控えめな静寂に対して、ムーブメントの豊かさ。
サファイアケースバック越しに姿を覗かせるキャリバー「PF780」は、18Kローズゴールドで構築された手巻きムーブメントです。ローズゴールドはムーブメントの構造用部品に用いられることが極めて稀な素材であり、その加工や仕上げには極めて高度な技術が要求されます。
その構造は、ダイナミックに広がる2つのブリッジと、露出した2つのバレルによって定義されています。このツインバレル構造には、ミシェル・パルミジャーニの修復師としての経験に根ざした原則が反映されています。つまり、エネルギーをより安定して供給することで、ムーブメントの動力伝達全体にかかる負担と磨耗を低減させるという思想です。
2つのバレルは隠されることなく、視覚的な主役となり、ムーブメントの緻密な構造論理を解き明かすとともに、そのレイアウトに建築のような調和とバランスをもたらしています。
ローズゴールド製のブリッジには、伝統的な波模様を交差させて生み出された「コート ド フルリエ」の装飾が施されています。この装飾は職人によって、昔ながらのカム駆動式ギョーシェ彫りの機械を用いて刻まれています。
手作業で面取りが施されたスティール製のブリッジが、ゴールドの温かみのある輝きに対して涼やかなトーンの絶妙な対比をもたらしています。
157個のパーツと27石の軸受けで構成されたキャリバー「PF780」は、厚さ3.15mm。振動数は4Hz(毎時28,800振動)で動き、約60時間のパワーリザーブを備えています。
手巻きという行為は、時計との本質的で親密な繋がりを保ち続けます。リューズを巻き上げるたびに着用者と機構との間に触覚的な繋がりが生まれ、ローターが存在しないことで、ムーブメントとその緻密な仕上げの全貌を余すところなく堪能することができます。

ディテールの隅々にまで至る、サルトリアルのこだわり
「トリック」が備える仕立ての美は、その構造、使用素材、そして身につけるスタイルそのものに宿っています。
モーニングブルーの文字盤には、アコヤグレーのヌバックアリゲーターストラップが組み合わされています。マットでベルベットのような質感が文字盤の繊細な粒状感と共鳴し、色の強調された対比ではなく、テクスチャー同士の調和を生み出しています。
ストラップの製作には、約20のの手作業工程と2日間の期間を要します。6層構造のパーツはすべて手作業で成形され、組み立てられます。表面に見えるステッチは、イタリア伝統の「プント ア マーノ」技法を踏襲しています。小さなステッチのあとに広めの間隔を空ける縫い方は、ナポリの高級仕立て服に見られる控えめで美しい手仕事の技を彷彿とさせます。
時計を締めくくるのは、プラチナ950製のピンバックルです。フォールディングバックルではなくこれが選ばれたのは、ストラップを完全に開くことで、金属プレートがムーブメントの眺めを妨げないようにするためです。
すべての要素がひとつの体験へと繋がっています。ヌバックの柔らかさ、プラチナの重厚感、粒状仕上げ文字盤が魅せる表情豊かな光の移ろい、リューズを巻き上げる心地よい感触、そしてゴールド製ムーブメントを秘かに堪能する悦びです。
モーニングブルー:受け継がれる伝統が息づく、現代のシグネチャー
現代の「トリック」における色使いは、建築的な色彩の捉え方から着想を得ています。
インテリアのために選ばれる色のように、主張しすぎることなく独自のアイデンティティを備えていなければなりません。周囲の環境と自然に調和し、見る人の感覚や感情に働きかけながら、季節の移り変わりを超えて変わらぬ価値を保ち続ける必要があるのです。
「モーニングブルー」は、フレッシュで前向きなエネルギーをもたらします。夜の深い青でもなく、昼の澄み渡った青でもない、朝の空が光を浴び始めるその瞬間の繊細な表情を思い起こさせます。派手な明るさではなくやわらかな光を放ち、これよがしな主張をすることなく豊かに表情を物語ります。
「トリック プティ・セコンド」において、色彩・素材・質感は切り離せない関係にあります。「モーニングブルー」は18Kホワイトゴールドのダイヤルにあしらわれ、下地のハンドグレインの質感によって豊かな表情へと昇華されます。光をそのまま反射するのではなく、数千もの微細な凹凸によって光を拡散させることで、手首の角度や一日の時間経過に伴い、クールなトーンから温かみのある輝きへと表情を移ろわせます。
その清々しい光は、「トリック」の建築的なデザインに新たな表情をもたらします。グレイン仕上げのダイヤルに生命を吹き込み、プラチナの静かなホワイトの輝きと共鳴しながら、アコヤグレーのストラップが持つマットで柔らかな質感と見事に調和しています。
ここにおける色彩は、ストーリーではありません。一貫した時計製造の思想が辿り着いた最後の調和であり、より深い普遍性を示す現代的なシグネチャーなのです。
現代のためのドレスウォッチ
「トリック プティ・セコンド プラチナ モーニングブルー」はドレスウォッチですが、もはや過去の伝統的なドレスコードに縛られるものではありません。
テーラードジャケットのカフの下はもちろん、カシミアや上質なニットウェア、あるいはアンコンストラクテッドな普段着の質感にも、ごく自然に馴染みます。そのエレガンスは特定のオケージョンに依存しません。個人の洗練された装いや、モノとのこだわり抜いた関わり方に寄り添います。
これこそが、パルミジャーニ・フルリエが提示する「プライベート・ラグジュアリー」の構想です。他者からの承認を得るためではなく、そこに込められた知識、感情、そして心地よい満足感のために選ばれるプロダクトなのです。
「トリック」は、遠く離れた場所から理解されることを求めません。近くに寄り添うことで真価を発揮します。グレイン仕上げのダイヤルは職人の手仕事を物語り、その洗練されたプロポーションは美意識を映し出します。そしてそのムーブメントは、機械式時計文化のすべてを宿しています。
修復という原点から生まれ、現代のライフスタイルに合わせて再構築された「トリック プティ・セコンド プラチナ モーニングブルー」は、シンプルなひとつの信念を表現しています。それは、「伝統とは、新たな創造を続けてこそ息づくものである」ということです。
Toric Petite Seconde Platinum Morning Blue
トリック プティ・セコンド プラチナ モーニングブルー
Ref:PFC940-2010008-300181
ケース径:40.6mm
ケース厚:8.8mm
ケース素材:ポリッシュ仕上げのプラチナ950
防水性:30m(3気圧)
ストラップ:手縫いステッチを施したアコヤグレーのヌバックアリゲーター、プラチナ950製ピンバックル
ムーブメント:手巻き、Cal.PF780(自社製)、毎時28,800振動(4Hz)、約60時間パワーリザーブ、27石
仕様:時・分・秒(スモールセコンド)表示、プラチナ950製ローレット加工ベゼル、手作業によるグレイン加工を施した18Kホワイトゴールド製モーニングブルーダイヤル、シースルーケースバック
価格:要お問い合わせ

※2026年10月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。








