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2022新作 手首に装着するロケット。ユリス・ナルダン「フリークS」

 2022年の新作としてユリス・ナルダンの歴史的なフリーク コレクションから、新しいハイテクな時計製作によるマスターピース、「フリークS」の登場です。ユリス・ナルダンは強力な太陽風に後押しされ、宇宙の最も輝かしい星々にインスピレーションを得て、このフリークの新解釈を生み出しました。この先駆的な新作は、一見するとツインリアクターを備えた宇宙船のようです。この時計は、決して疑うことを知らない人たち、夢を実現するために人里離れた場所に向かう人たち、言い換えると「ビューティフル・フリーク」と呼ばれる人々の手首を最高に飾ります。アバンギャルドな時計デザインでありながら現代のラグジュアリーが的確に表現されています。

 ユリス・ナルダンの歴史において最も重要な出来事を挙げるとすれば、それは2001年です。この年に当時最も革新的なモデルのひとつであった最初の「フリーク」が発表されました。この革命的な時計は針も文字盤もリューズもない、時計製造の歴史におけるあらゆる慣習から解放されたものでした。この記念すべきプロジェクトはキャロル・フォレスティエ・カザピによって考案され、当時ユリス・ナルダンの時計職人だった哲学者にして天才、ルートヴィヒ・エクスリンによって現実のものとなりました。ユリス・ナルダンは20年以上にわたり、伝統的な時計製造の限界を押し広げることを常に追求し、「フリーク」コレクションを発表しています。フリークを身につけるということは、腕の上に実験室を持つということです。長年にわたり、このコレクションはいくつかの大きなイノベーションを実施してきたため、高級時計製造の世界において象徴的な存在となっています。

「この時計の時刻はカルーセルムーブメントで表示します。市販の時計にはないユニークなコンセプトで、あまりの大胆さに誰も真似をすることができません。まさに革命的、新技術の祭典といえます」と、ユリス・ナルダンのプロダクト・ダイレクター、ジャン・クリストフ・サバティエは話します。

「フリークは、新しい技術的な挑戦によって常に革命的な魂を燃やし続ける時計です。『2001年宇宙の旅』という小説があるように、『2001年イノベーションの旅』というストーリーもあるのです。ホメーロスの『オデュッセイア』の主人公が多くの未知の土地を訪れたように、私たちユリス・ナルダンは科学が提供するあらゆる道を探求し、計時機器の精度と機能性を常に向上させ続けているのです」と、ユリス・ナルダンCEO、パトリック・プルニエは述べます。

フリークS:ブランド初の自動巻きディファレンシャル・ダブルテンプ
 UNマニュファクチュールの開発チームは愛好家を驚かせるために、従来の巻上げ方式の2倍の効率を持つ「グラインダー」システムを用いブランド初の自動巻きディファレンシャル・ダブルテンプを設計し実現しました。フリークSは、2018年発表のフリーク ビジョンの技術的拡張であり、以下の注目のイノベーションを強調する新しい機械的驚異です。

・ ダイヤモンシル技術を用いた傾斜型ダブルテンプ
・ 垂直方向ディファレンシャル
・ 自動巻きグラインダー巻き上げシステム
・ 2001年の初代フリークにインスパイアしたセラミック、チタン、ゴールドなど異素材の組み合わせ構造を持つ新ケース


“ダブルトラブル”!
 ユリス・ナルダンのテクニカルチームは、フリーク・コレクションにもともと備わっている立体的な効果を極限まで高めることに成功しました。フリークSの傾斜したダブルオシレーターは、新しいUN-251マニュファクチュールムーブメントの主要な特徴であり、今回初めて搭載されました。2つのXXLサイズのシリシウム製テンプは、まるで2つの発射台の上にあるかのように、それぞれ異なる平面上に配置し、この作品の景観をより美しくしています。20度傾斜した2つの平面上に組み立てられたインカブロック付きの2つの大型テンプは、ロケットの翼を模したローズゴールド製のブリッジで連結されています。2つのターボプロップエンジンのように見える双子型のテンプは、それぞれ2.5Hzの周波数で時を刻む様子を表現し、このタイムピースの立体感と宇宙へのインスピレーションをさらに強めています。宇宙船を思わせる外観に加え、傾斜型ダブルオシレーターとそのディファレンシャル機構は、ムーブメントの回転速度をより正確に調整することができる驚異的な技術です。ディファレンシャルの最も一般的な用途は、自動車のトランスミッションで、それはカーブの内側にある車輪が外側にある車輪よりも速く回るように、駆動輪を異なる速度で回転させることができます。この時計では2つの速度の平均をとり、香箱のエネルギーを2つの調速脱進機に均等に配分することで、振幅を安定させるという欠くことのできない機能を担っています。フリークSの2つのテンプは決して同じ速度で振動することはなく、この機構によって相互に補正し合います。


ダイヤモンシル・テクノロジー
 2001年に初代フリークに時計業界で初めてシリシウムを使用したユリス・ナルダンは、シリシウムと合成ダイヤモンドを組み合わせた革新的パイオニアの表面処理加工技術、ダイヤモンシル(DiamonSIL2009年特許取得)も発表しています。フリークSの脱進機のシリシウム部品は人工ダイヤモンドの層でコーティングし、その性能と耐摩耗性、そして時計にかかる年間数百万回の衝撃に対する耐性を最適化しています。このプロセスは、ユリス・ナルダンが過去20年間に導入した主要な技術革新の一つです。ユリス・ナルダンがスイス、シオンのシガテック社と共同で開発したダイヤモンシルのプラズマ技術は、2007年以来、ブランドのサヴォアフェールを象徴する技術の一つとなっています。この独自の技術は現在、フリークSのほかブランドのフラッグシップ・ムーブメントであるUN-118に採用されています。

エンジンルームを覗く
 フリーク・コレクションは、その秘密をすべて明らかにしています。隠すことは何もありません。フリークSのクリスタルの下にあるマイクロメカニカルな機械は、自動巻き72時間パワーリザーブを持つカルーセルムーブメントだけで、他には針も文字盤もリューズも必要ありません。フリークは、ムーブメント自体が回転することによって時刻を表示します。2つのブリッジがセンターの周りを回転していて、それぞれ時間と分を示します。下側のインデックス(スーパールミノバ®で覆われた矢印)は時間を示し、上側のインデックス(テンプと脱進機を搭載したロケットのノーズコーン)は分を表示します。アッパーブリッジは60分間で1回転し、時間のメカニズムの謎を解き明かします。ムーブメントはサファイアクリスタルのハイテクドーム型ケースの中で中心軸を中心に回転し、時刻表示の壮大な眺めを保証しています。

 従来のトゥールビヨンでは、テンプはトゥールビヨンケージの中で1分間に1回転しますが、「フリーク」では、調速機を含むムーブメント全体がケース内で1時間に1回転します。フリークの時刻合わせはベゼルを時計回りまたは反時計回りに回転させることで行います。

  2021年当時社長だったロルフ・シュナイダーは次のように述べました。「30年近く前、私はユリス・ナルダンを買収しました。のちにこれほどユニークで革新的な機械式時計が市場に定着すると確信した計算したリスクでしたが、どうやら私の考えは正しかったようです。フリークは、ユリス・ナルダンが、そして時計産業全体が成し遂げたこの歴史的な躍進を体現しており、間違いなく私たちのフラッグシップモデルです」

 ユリス・ナルダンCEOパトリック・プルニエは次のように語ります。「ロルフやルートヴィヒ、そしてフリークに携わったすべてのヒーローたちのおかげで、私たちは既成概念にとらわれず、困難に挑戦し続けることができるのです。ユリス・ナルダンのトレードマークである本物を追求する姿勢と自由な発想は、高級時計製造の中心に位置するユリス・ナルダンの深いルーツから生まれたものです。現在、最も有名な時計界のリーダーたちがフリークによってどのようなインスピレーションを受けたかを説明するのを聞いて、私はいつも驚かされます。フリークは単なる時計ではなく、ひとつのアイデアであり、世界観なのです。それは進化し続けています。新しいフリークSは、フリーク・ビジョンの上級版で、ユリス・ナルダンの最高傑作です」


オートマティック・ロケット
「グラインダー」自動巻き巻き上げシステムは、フリーク ビジョンに搭載されていたもので、今回大幅に改良されました。グラインダーは、従来の自動巻きシステムに比べエネルギー伝達効率が2倍となるため、効率的な巻き上げが可能です。手首のわずかな動きを利用します。振動錘は4枚のブレードを搭載したフレームに接続しており、これにより自動巻き上げシステムの角速度が2倍になります(2ペダルの代わりに4ペダルを装着した自転車のようなものです)。また、柔軟なガイド機構により、摩擦が大幅に低減されています。


恒星間航行船
 星が宇宙の中にランダムに分布しているように見えるように、深い黒の鉱物の装飾板に金色の粒子がきらめく繊細な装飾は「偶然」ではありません・・・アベンチュリンのきらめきの効果は、ロケットの発射台装置のように「フリークS」に星の夜のきらめきを与えています。アベンチュリンにまつわる伝説によると、13世紀ごろ有名なガラス職人の故郷であるベネチアのムラーノ島で、職人が偶然に溶けたガラスの鍋に銅片を落とし、イタリア語で「aventurina」「偶然に」という意味のアベンチュリンガラスを作り出したと言われています。ブラックのアベンチュリンディスクはインデックスの下で回転し、ユリス・ナルダンのロゴがきらめく装飾の通過に吸い込まれるように、控えめに隠れたりします。

 フリークSは75本の限定モデルで、そのうち40本が2022年に生産される予定です。時計にはローズゴールド色のスポーティなカットワークが施されたアリゲーターストラップが装着されています。またブラックDLC加工が施されたチタン製のセルフ・フォールディングバックルは、特許を取得したトリプル・フォールディング・システム(SYNC)で、バックルを1度クリックすると簡単に開くものです。これが確実なセキュリティを実現します。

FREAK S
フリークS

Ref:2513-500LE-2A-BLACK-5N/1A
ケース径:45mm
ケース素材:ブラックセラミック、ブラックDLCチタン、5Nローズゴールド
防水性:30m
ストラップ:ブラックアリゲーター&ゴールデンカーフの異素材ミックスまたはブラックアリゲーター、ブラックDLCチタンと5Nローズゴールド製SYNCフォールディングバックル
ムーブメント:自動巻き、Cal.UN-251、72時間パワーリザーブ、毎時18,000振動×2
仕様:ムーブメントの回転による時・分表示、ブラックアベンチュリンを装飾したムーブメントディスク、バックベゼルによる手動の巻き上げ可、レバーロック付きフロントベゼルによる時刻設定
限定:世界限定75本(うち40本を2022年に生産)
価格:16,500,000円(税込)

※2022年4月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。

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