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BASEL WORLD2017 新作 ブランド創立280周年記念コレクション「ビバーク 9000」


世界初の技術を搭載した機械式腕時計、「ビバーク 9000」


 スイスの老舗時計ブランドであるファーブル・ルーバが、2017年3月に開催されたスイスでのバーゼルフェアにて、創立280周年を記念する新作コレクションである「ビバーク 9000」を発表しました。



最高峰への挑戦


 2017年、創業280周年を迎える「ファーブル・ルーバ」が、時計製造の世界で間違いなく注目を集めることになる画期的な腕時計を発表しました。それは、技術の限界をかつてないほどに押し上げることで、不可能と思われたことを可能にし、新しい基準を打ち立てる、そんな時計です。新作「ビバーク 9000」は、海抜9,000mまでの高度を計測することができる世界初の機械式腕時計であり、ファーブル・ルーバの創造力および現状に満足しない挑戦する姿勢を体現するものです。


  ファーブル・ルーバは創業以来280年にわたり、時計のデザインやエンジニアリングにおいて新しい基準を設けると同時に技術的な可能性を再定義する、時計製造界に重大な進展をもたらすようなアイコニックな時計を製作し続けてきました。スイスで二番目に長い歴史を有するこの名門時計ブランドは、創造力と無類の革新性がインスピレーションの源となっていることを、改めて証明しています。「ビバーク 9000」は、これまで不可能と思われたことを可能にすることで、他の時計が持つキャパシティを文字通り遥かに凌ぐ、まさに新境地を開く時計です。


  ブランドの280周年を記念するこの画期的な作品の製作にあたり、デザインチームはブランド独自の歴史から着想を得ることにしました。1962年、ファーブル・ルーバは海抜3,000mの高度および気圧を計測することのできる世界初の機械式腕時計を発表しました。その傑出した信頼性と精度、また高い操作性および視認性によって、この時計はたちまち登山家やパイロット、探検家、そして度胸と粘り強さによって壁を乗り越えてきたパイオニアたちの腕に欠かせないものとなったのです。


  期待を越えた役割を果たす時計である「ビバーク 9000」は、同じ名前を持つ1962年発表の伝説的先代モデルへ捧げるオマージュである一方で、極めて高い高度においても頼れるパートナーとなることを想定して改良および再設計された高機能計器です。


「ビバーク 9000」は、アネロイド気圧計を用いて高度を計測することに変わりはありませんが、新作では驚異の海抜9,000mまでの高度を計測することができるのです。センターにある赤い針が、50mごとに3,000mまで目盛が振られた両方向回転ベゼル上で、高度を指し示します。つまり、センターの赤い針が1回転すると、3,000mの高度まで登ったことになります。登山中は、3時位置にあるサブダイアルの小さな赤い針も進行を続け、センター針が3回転したところで、最高高度の海抜9,000mを表示します。回転ベゼルは、双方向のラチェット機構によって、誤操作が防止されています。


  気圧計の中央には、特別な合金でつくられた機密カプセルが入っています。時計の着用者の高度が上がることで気圧が下がると、このカプセルは膨張し、着用者の高度が下がることで気圧が上昇するとカプセルは縮小します。カプセルの膨張および縮小が直線運動を生み出し、それが高度表示のための回転運動に変換されます。高度は、ストーングレーのダイアル上で、赤い針によって表示されます。高度計測のために不可欠な大気は、ケースに設けられた穿孔薄膜で保護された0.3mmの開口部を通じて、気圧計カプセルを擁する空間に入り込みます。


  海面位での気圧と世界最高峰地点での気圧の差が1気圧にも満たない(約0.7気圧)ことを考慮すると、9,000mまでの高度を正確に計測することのできる「ビバーク 9000」の内部構造の複雑さをお分かりいただけるでしょう。


  例えば、登山家が海抜高度3,260mにあるヘルンリヒュッテのベースキャンプからマッターホルンの高度を計測する際は、まず「ビバーク 9000」の高度を正しく設定する必要があります。サブダイアル上の小さな赤い針が、3,000mを意味する3の目盛を少し過ぎたところを指し、赤いセンター針がベゼル上の260を指しているよう、着用者が調整します。こうすることで頂上までの上昇中、ゆっくりと時計回りに回る赤いセンター針を確認しながら、登山中上昇し続ける高度をモニターすることができるのです。登山者が頂上に達する頃、「ビバーク 9000」は誇らしげに4,478mの海抜高度を指し示している事でしょう。


「ビバーク 9000」はまた、同じ高度における気圧の変化を表示することもできます。3時位置にあるヘクトパスカル(hPa)表示が、1,013~300hPaの間の現在気圧を表示します。着用者が上昇前の晩に、マッターホルンベースキャンプの正しい高度を設定すると、高度計針の反対側にある小さな赤い気圧計針が、この高度の平均気圧である680hPaを指し示します。夜間に気圧が下がると、センター針は時計回りに回り、翌朝小さな気圧計針は、低い数値を指すことになります。これは、この野心的な登山家がその時点で低気圧のエリアにいること、つまり天気が悪くなっていることを意味します。嵐が接近しているような過酷な気象条件下では、実際の気圧とその地の平均気圧の差が150hPaにもなります。反対に、センター針が反時計回りに回り、小さな気圧計針が前夜よりも高い数値を指している場合は、マッターホルン周辺地域が高気圧に覆われ、気候が好転していることを意味します。このような情報を表示することのできる「ビバーク 9000」は、登山家たちが危険な上昇を実行するのか、別の日に延期するのかを決定するための手助けをする、大切な計器です。



重要な技術的進歩および改善


「ビバーク 9000」は1962年に登場した先代モデルから着想を得ている一方で、数々の重大な技術的進歩および改善も果たしています。その最たる例は、計測できる高度が3,000mから9,000mに向上したことです。そのためには、気圧計に革新的な素材を用いることや、カプセルの高さや直径を決める精密計算、そして高度計への新しい変換メカニズムが必要でした。


  1962年、登場モデルとの違いは、防水性能にも表れています。これは、気圧計に不可欠なケース上の吸気口を、薄いながらも頑丈な疎水性微細穿孔膜で保護することで実現しました。この薄膜は空気を通す一方で、水や塵埃粒子は通しません。


  機能性を満たす上で、薄膜の穿孔は空気を循環させるための大きさを確保しながら、最小限にしなければなりませんでした。そのため、穿孔の大きさは、極限までの精度で計算および分析されました。これにより、ヘリコプター飛行中のような高度の上昇や下降が急速な場合でも、気圧の変化が瞬時に高度計に伝達されるようになったのです。また、薄膜は二つのスクリューで留められたプレートによってカバーされ、両脇に空気のみ通すベントが設けられることで、さらなる保護が施されています。こうすることで、硬く鋭い器物や砂等による物理的損傷から、繊細な薄膜を守ることができます。

革新的な解決策への飽くなき探求心


 高度計と気圧計に加え、ダイアル12時位置にはパワーリザーブ計も備えられています。これにより、ムーブメントが60時間前後動き続けたのち、巻き上げが必要であることを着用者に余裕を持って知らせることができます。革新的な解決策を追い求めて、現状を打破する、常に従来の考え方に逆らう、そして新たな道を切り開くというファーブル・ルーバに長く続く伝統に従って、パワーリザーブ計を司る機構もまた、平凡なものではありません。ムーブメントの厚みに影響を与えないよう設計されたこの機構は、複雑な役割を担いながらも可能な限り少ない部品数で構成されており、これにより高い信頼性が実現しているのです。一般的に、機構の構成部品が少なければ少ない程故障のリスクが低いとされています。「ビバーク 9000」のパワーリザーブ計では、イギリス式の差動ネジ構造を最新の技術で最適化し、この時計の機構に適合させています。


  自らの肉体的および精神的限界を押し上げようと全力を奮う登山家たちにとって、「ビバーク 9000」が正常に機能していることを瞬時に確認することは、極めて重要なことです。これは、9時位置に配されたスモールセコンド用サブダイアルの針の動きを見ることで解決します。また、次の冒険を楽しみにしている登山家は、6時位置の日付表示を用いてカウントダウンすることができるでしょう。



完璧な視認性がキーとなる状況


 ファーブル・ルーバは「ビバーク 9000」の設計にあたり、自らのブランドの伝説的タイムピースをインスピレーション源とし、ブランドならではのデザイン要素を現代的に解釈することにしました。あらゆる状況下で、ダイアルに完璧な視認性が確保されることは、極めて重要なことでした。ダイアルのスタイルはあくまでもミニマリスティックで、大切な表示を邪魔する要素は皆無です。高度と気圧を表示する3時位置の大型のサブダイアルおよび9時位置のスモールセコンドには十分なスペースが与えられ、パワーリザーブ計はコントラストを成す配色とすることで、明瞭な読み取りが可能になっています。



 控えめなストーングレーのダイアル上では、発光する時分針および長方形のインデックスがくっきりと際立っています。しかしながら、人目を引く真っ赤なセンターの高度計針こそが、この時計のスターと言えるでしょう。


「ビバーク 9000」は、頑丈につくられた径48mmという印象的なケースサイズでも注目の的になることでしょう。軽量で耐摩耗性に優れた、またアレルギー反応を起こしにくいチタニウム製のケースは、大型のサイズながら、快適な着け心地を実現します。また、時に架けられた橋のごとく、ラグからラグへとアーチを描くケースサイドは、この特別な時計のダイナミックな美しさを強調し、先代モデルとの繋がりの象徴にもなっています。ビンテージ調のレザーストラップが組み合わせられることで、どのようなシーンにもふさわしいスタイリッシュなアクセサリーとなります。


  この地球に、「ビバーク 9000」が正確に高度を示すことのできないほど高い場所はありません。この時計にとって、急すぎる登山も、大きすぎるチャレンジもありません。「ビバーク 9000」は、あらゆる状況下でも信頼のおける、無くてはならないパートナーと言えるでしょう。

BIVOUAC 9000
ビバーク 9000

Ref.:00.10105.06.45.45
ケース径:48.0mm
ケース厚:18.7mm
ケース素材:チタニウム
防水性:3気圧 (300m)
ストラップ:レザー、ピンバックル
ムーブメント:手巻き、65時間パワーリザーブ
仕様:時、分、スモールセコンド、1回転で3,000mの高度を示すセンター針、9,000mまでの高度および気圧(hPa)を表示するサブダイアル、パワーリザーブ計、日付表示、陽極酸化アルミニウムの挿入した両方向回転ベゼル、ねじ込み式リューズ、ストーングレー文字盤、アプライドインデックス、発光インデックスおよび時分針、レッドハンド採用の高度計、両面反射防止加工サファイアクリスタル風防、ねじ込みおよび位置調整されたケースバック



※2017年4月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。

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