BASELWORLD 2018新作「レイダー バシィ 120 メモデプス」


底知れない精度「レイダー バシィ 120 メモデプス」

 スイス・ジュラ山脈の南麓に位置するゾロトゥルン。この町にあるファーブル・ルーバのエンジニアリング・オフィスはシンクタンクを思わせるものです。ここでは、現代のいきいきとしたエンジニアリング・スピリットが、伝統的な時計作りを日々進化させています。このオフィスは日々新たな時間を刻み続けているのです。


 ブランドの281年の歴史と伝統を象徴するこの場所は、腕時計の新たな可能性の入口でもあります。過酷な自然環境下においても実用的な腕時計を提供するという大きな目標に向かい、機械式時計の新機能を研究・開発します。ここで開発されたタイムピースは世界最高峰を制覇し、深海の最も深い地点に到着することでしょう。一見不可能と思われる目標でも、それを達成するまでは決して私たちは満足することはありません。


 人類が考えうる最も現実とかけはなれた夢でさえ、ファーブル・ルーバにとっては現実的な挑戦なのです。1968年、ダイバーズウォッチの理想形が現実となり、世界中のダイバーが驚愕し、そして注目しました。ファーブル・ルーバの「バシィ」は、浸透膜とセンター針を備え、正確な潜水深度の測定を実現した世界初の腕時計です。オリジナルの「バシィ」は機械式腕時計の歴史に大きな足跡を残した時計であり、現在においても非常に人気の高いコレクターズアイテムです。


 2018年はバシィ発売50周年のアニバーサリーです。今こそ伝説の続きを紡ぐ時です。しかしオリジナルモデル以上の実用面におけるイノベーションは存在するのでしょうか?新作「レイダー バシィ 120 メモデプス」がその問いに対する答えです。「レイダー バシィ120 メモデプス」のレトロフューチャーデザインは1968年発売のオリジナルの「バシィ」を継承しています。しかしテクノロジーの観点ではまったく別の個体といっていいほどの最新のテクノロジーが搭載された時計です。現代のスタンダードに基づき、機能と素材に改良を加えました。伝説のオリジナルモデルへのオマージュであるケースデザイン、そして鮮やか、かつ実用的なカラーリングと、高い視認性を誇る針とインデックスを有します。


「形態は機能に従う」という原則からインスピレーションを得た「レイダー バシィ 120 メモデプス」の外観は281年の歴史と現代的なデザインが調和したタイムレスなデザインです。直径48mmのチタン製ケースは、いかなる状況においても高い視認性を実現しています。


 水深計には、1968年発売のバシィから得たアイデアと、モダナイゼーション・テクノロジー開発のたゆまぬ努力の結びついたものです。この水深計の真の実力はその性能にあります。それは時計製造の既存のルールを覆すものです。時計の内部には絶対に水が入ってはならないのでしょうか?いいえ、逆です。新しいバシィはケースバックに開口部を作り、内部に水を取り込みます。信じられませんか?しかし、この開口部は水深計用に作られており、密閉状態であり、ムーブメントから分離されているのです。その礎となっているのは、自社設計の「膜」を変化させる仕組みです。水は開口部を通じてケースバックからチャンバーに入り、水圧が増加するにつれて「膜」を押し出します。時計内部の機械的センサーがこの変化を検知し、水深計の針を通して情報が伝達され、最終的にダイアル上のセンター針が潜水深度をディスプレイに表示します。潜水深度は120メートルまで非常に精密に測定できます。30メートルまでは目盛りが細かくなっており、減圧停止が必要な5メートルと10メートルの2カ所に赤いマークがついています。また「レイダー バシィ 120 メモデプス」には、ダイビング中に達した最大深度を記録する機械式の記録用装置「メモデプス」も搭載されています。3時位置にある水深計は、4時位置にあるねじ込み式プッシャーでリセットされるまで、確実に潜水深度を表示し続けます。これはプロが使用する現代のダイバーズウォッチに必ず搭載されている機能です。「レイダー バシィ 120 メモデプス」の防水性は、ダイバーズウォッチの標準仕様と同じく最大200mです。理想的な計測ができる範囲は120mで、その範囲は1968年に発売されたオリジナルのバシィ(50m)の2倍以上になりました。時計には機械式リミッターが内蔵されており、理想的な計測範囲より深く潜水した場合も、膜や水深計にダメージが与えられることはありません。

「レイダー バシィ 120 メモデプス」はダイビングの本質に焦点を当てたダイバーズウォッチです。光がほとんど差し込まない深海でのダイビングでも、視認性は抜群で、必要な情報をすべて読み取ることができます。ダイビングの興奮を妨げる不必要な問題が生じてはならず、またそれによってダイバーの集中力やリアクションが損なわれてもいけません。このような信念が、この時計のデザインと機能に対して、インスピレーションを与えました。「レイダー バシィ 120 メモデプス」は、何にも束縛されず、重力すらも感じない水中での活動を容易にし、ダイビングをより一層魅力的にします。


 どんなダイビングにも欠かせない安全に関する重要なポイントもおさえています。プロ用ダイバーウォッチには必ず逆回転防止ベゼル(またはモデルによっては風防内部の目盛りの刻まれたリング)が装備されていて、ダイビング開始前、ベゼルを反時計回りに回転させ、逆回転防止ベゼル上の三角形のマーカーを分針の先端に合わせます。こうすることにより、潜水時間をベゼルにて、分単位で確認することができます。「レイダー バシィ 120 メモデプス」に装備されている逆回転防止ベゼルも同様の方法で、潜水の残り時間を計測します。誤って沈没船やサンゴ礁、または洞窟などに時計をぶつけると、ベゼルのポジションがずれ、本来の設定が変わってしまう恐れがあります。つまり、ベゼルが誤って時計回りに動くと、潜水時間を誤算して危険な状況に陥る可能性があるのです。バシィの逆回転防止ベゼルは、誤作動があっても反時計回りにしか動かないため、予定していた潜水時間が短縮されるだけです。これはダイバーにとって危険を意味するわけではありません。


 ファーブル・ルーバの「レイダー バシィ 120 メモデプス」に搭載されているムーブメントは手巻きのキャリバーFL321。これはEMC 3903Mキャリバーをベースとし、ファーブル・ルーバが自社開発の特別なモジュールを施したムーブメントです。パワーリザーブは65時間で、文字盤12時位置にパワーリザーブインジケーターが配されています。

 ダイビングへのチャレンジと安全性の確保は別で考えられるものではなく、お互いに密接しているものです。適切な安全対策がなければ、ダイビングはすばらしいものにはなりえません。ダイビングの興奮を味わえる環境作りに妥協することなく、ダイビングがすばらしいものになるようファーブル・ルーバは日々努力を怠りません。「レイダー バシィ 120 メモデプス」は、ダイバーズウォッチにおける新しい基準をもたらします。オリジナルのバシィにインスパイアされながら、すべての点で新しい解釈を加えた特別な計器です。「レイダー バシィ 120 メモデプス」は、ファーブル・ルーバの機械式時計のエンジニアリングの結晶なのです。



レイダー・バシィ120 メモデプス

ケース径:48mm
ケース厚:19mm
ケース素材:チタン、アルミニウム製逆回転防止ベゼル
防水性:20気圧 / 200m
ストラップ:ラバー
ムーブメント:手巻き、Cal.FL321、65時間パワーリザーブ
仕様:時針、分針、スモールセコンド(9時位置)、潜水深度120mまで表示可能な水深計最大潜水深度記録、自社開発の水深計とパワーリザーブインジケーター、日付表示、ねじ込み式リューズ、両面に反射防止加工を施したサファイアクリスタルガラス風防、スクリューケースバック、ブラック文字盤、ダイブセクターマーキング(青)、減圧停止用インジケーター(赤)、アプライドインデックス、夜光塗料(スーパールミノバ®)が塗布された時分針およびインデックス、潜水深度表示用のブルーのセンター針、最大潜水深度記録用サブダイヤル(3時位置)
価格:未定
発売予定:2018年10月

※2018年3月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。

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