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オメガが『ラボラトワール・ドゥ・プレシジョン』を発表。さらに精緻なレベルでのクロノメーターテストが可能に

 ウォッチメイキングの世界をさらに進化させる必要があると考えたオメガが『ラボラトワール・ドゥ・プレシジョン(LdP)』を設立し、新たなクロノメーター検査制度を導入します。

これまで50年以上にわたって、スイスにおける機械式ムーブメントの製造後検査を担う主要機関は、“公認クロノメーター”の称号を授与するCOSC(Controle Officiel Suisse Des Chronometres:スイス クロノメーター検定協会)でした。今回、SAS(the Swiss Accreditation Service:スイス認定サービス)によって正式に認可された『ラボラトワール・ドゥ・プレシ ジョン』は、独立的な検査制度でCOSCと同様の機能を果たす新たな選択肢となります。

 卓越した新しいレベルの精度検査を提供する『ラボラトワール・ドゥ・プレシジョン』は、 ウォッチメイキングの基準と世界的に有名なキャリバーの品質向上に継続的に専念してきたオメガによって設立、運営されますが、完全に中立で独立した機関であり、オメガ製品に限らず、 すべてのブランドやムーブメントメーカーにクロノメーターテストの機会を提供していきます。

 この“完全な公平性と中立性”を確保するというのが、SASによる「ISO/IEC17025:2017 に準拠した試験機関」としての認定を受ける特定の要件でした。SASはこのような認定権限を持つスイス唯一の機関であり、この認定が『ラボラトワール・ドゥ・プレシジョン』の高い信頼性と、 独立した公平なムーブメントのテストを行うことを公式に保証するものとなります。テストは 一般的に「クロノメーター」として知られるISO 3159規格に準拠したムーブメントの測定方法に従って行われます。

『ラボラトワール・ドゥ・プレシジョン』では、位置や温度など様々な条件を自由に設定して高精度の検査が可能な技術を開発しました。テストに際しては、標準的に使用される機器の他、このような高い技術も活用されます。 これは、現在の業界水準よりもはるかに高いレベルで検査が行えることを意味します。『ラボラトワール・ドゥ・プレシジョン』では、ISO3159規格に準拠した15日間にわたるクロノメーター検査によって、より正確な計測を行います。この測定方法は非常に包括的であり、24時間毎のみに行われる現在の精度測定と異なり、テストが15日間継続して行われるということが 何よりも重要です。

 『ラボラトワール・ドゥ・プレシジョン』の検査では、キャリバーのすべてのビートが測定、評価され、その測定精度は業界水準の10倍となります。工業的手法とビッグ データ分析を通じて検査中に収集された大量のデータは、ブランドやムーブメントメーカーが、すべてのムーブメントのパフォーマンスをこれまで以上に深く理解することを可能とすると同時に、精度の卓越性の基準を向上させることにも役立ちます。

 オメガにとって『ラボラトワール・ドゥ・プレシジョン』の設立は、精度基準における大きな進歩を意味します。例えば、近年オメガが開発し、画期的な精度を実現したスピレート™システムは、時計製造における卓越した技術を実現しただけでなく、測定システムにおいても最新の技術を必要とします。膨大なデータと極めて重要な技術的詳細を活用できるようになったことで、オメガは将来に備えて自社キャリバーを綿密に分析、改良し、時計ブランドの名声を左右する 微差を改善していく術を手に入れたと言えます。

 重要なのは、今後、クロノメーター検査を自社のサプライチェーン内に統合することができるということです。スウォッチ グループの一員として、オメガはグループ内のノウハウと専門知識を可能な限り活用して、卓越性の基準を全体的に向上させることに取り組んでいきます。 『ラボラトワール・ドゥ・プレシジョン』は、スイスに2つの拠点を構えます。1つはビエンヌに、もう1つはヴィルレで、合わせて1000m2以上のクロノメーター検査用のスペースを確保しました。

※2024年4月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。

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