色表現の美しさと深みを増したグリーンダイアル

今やスタンダードになったブルーダイアルを嚆矢として、2019年はグリーンがトレンドとなり、一方ではバーガンディーカラーのダイアルも目立つようになってきた。こうしたカラーダイアルは、当初こそストレートな色味が多いが、次第にその色調は複雑さを帯び、時計に一層のエレガンスを与える要素になってくる。それはグリーンダイアルにおいても同様だ。

ブランパンの「フィフティ ファゾムス バチスカーフ フライバック クロノグラフ」もそのひとつ。これまで、ブラックを基本に、メテオグレーとブルーのダイアルカラーを展開してきたが、2020年はダイアルとベゼルにグリーンを採用した新モデルを発表。ダイアルには中央から放射状に広がるサンバースト仕上げと色に深みを与えるスネイル仕上げが施され、ヴィンテージのようなニュアンスを感じさせる。さらに、光のあたり具合によって落ち着いたグリーンやメタリックへと表情が変わるクリエイションによって、エレガントな雰囲気も放っている。

  • ブランパン
    フィフティ ファゾムス バチスカーフ フライバック クロノグラフ

    Ref:5200-0153-NABA
    ケース径:43.60mm
    ケース素材:ブラックセラミック
    防水性:300m
    ストラップ:NATOストラップ
    ムーブメント:自動巻き、Cal.F385、50時間パワーリザーブ
    仕様:フライバッククロノグラフ、日付表示
    価格:1,690,000円(税抜)

グリーンダイアルに新たな表現手法を取り入れた点では、2018年に設立された新鋭ブランド、ノルケインの「インディペンデンス 20」も注目したい。フォレストグリーンのダイアルには技術者の手作業によってオールドスチールフィニッシュが施され、ダイアルを注視すると使い込んだスチールのような独特のパターンが確認できる。もちろん、搭載されているムーブメントは、ケニッシ社と共同で製造開発されたCOSC公認クロノメーターのキャリバーNN20/1。ダイアルのユニークさもさることながら、パフォーマンスの高さも折り紙つきだ。

  • ノルケイン
    インディペンデンス 20

    Ref:NN3000S03A/E301/102SI
    ケース径:42mm
    ケース素材:ステンレススティール
    防水性:100m
    ブレスレット:ステンレススティール
    ムーブメント:自動巻き、Cal.NN20/1、70時間パワーリザーブ、COSC公認クロノメーター
    仕様:シースルーバック
    限定:世界限定200本
    価格:360,000円(税抜)

2020年1月、H.モーザーは新コレクションとなる「ストリームライナー」を発表。それは、この後に解説するラグジュアリー・スポーツウォッチの潮流を汲む、ステンレススティール製のケースとブレスレットを一体化させた流麗なフォルムが特徴のコレクションだが、その第2弾モデルとなる「ストリームライナー・センターセコンド」が採用したのは、鮮やかなグリーンダイアル。そもそもH.モーザーは、ダイアルの内側から外側に向かって色調が濃くなる独特なグラデーション“フュメ”でも好評を得ているブランド。このモデルで採用されているマトリックスグリーンのフュメダイアルは、ブランドのアイコニックなデザインとトレンド感を併せ持った、H.モーザーならではの表現と言える。

  • H.モーザー
    ストリームライナー・センターセコンド

    Ref:6200-1200
    ケース径:40mm
    ケース素材:ステンレススティール
    防水性:12気圧
    ブレスレット:ステンレススティール
    ムーブメント:自動巻き、Cal.HMC 200、約3日間パワーリザーブ
    仕様:シースルーバック
    価格:2,150,000円(税抜)

トレンドとともに振り返る 2020年の傑作ウォッチ

※2020年11月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。

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